新しい時代に、
新しい驚きを。

2012年入社
大玉 千香子/CHIKAKO OHDAMA

研究開発(四輪)

(株)本田技術研究所 四輪R&Dセンター
理工学研究科 機械工学専攻 修了

実験と解析、
両方をやりたくて。

大学時代、私は足廻り部品の設計・製作担当として全日本学生フォーミュラ大会に参戦。軽量かつ作りやすいをコンセプトに製作した部品には、想いが詰まっていた。しかし整備中に部品が破損、すぐに修復できたが、最適な構造ではないと感じた。落胆の気持ちよりも、探求心に駆られた。机上の空論で終わらない強度評価には、何が必要か?そもそも壊れるという現象は、どのようなメカニズムで起きるのか?その徹底理解からもう一度始めようと大学院へ進み、実験と解析の両方ができ、かつ破壊現象の8割を占めるといわれる疲労破壊を扱う研究室を選択。実効的な疲労寿命予測の核心に迫るため、現象の解明と高精度な予測手法の検討に没頭した。

研究によって、現象としての理解は進んだ。しかし次の欲求が湧いてきた。製品をつくる世界では、つまり“現実”の世界では、壊れるという現象をどう扱い、疲労寿命をどう予測しているのだろう?しだいに興味は、実製品の世界の方に向いた。そしてそんな自分にぴったりだったのが、“現場・現物・現実”の三現主義を掲げているHondaだった。私が探していたのは、大学院の時と同じように、実験と解析の両方を行える場所。Hondaの四輪R&Dセンターには、その場所があった。私が所属している信頼性グループでも、テスト部隊と解析部隊が分かれたりしていない。シミュレーションも、テストも、ひとりの技術者がこだわりをもって担当できる会社は、他にはなかなか見当たらなかった。

Hondaの技術者の
共通項。

私がいる信頼性グループは、クルマ1台分の強度耐久性を基盤に、クルマ全体の品質を守っている。実際に乗られる国や地域へ行き、市場=“現実”を知ることからスタート。そこで得た多様なデータから評価基準を定める。また、機種開発においては、開発初期から最後まで関わり、机上予測やシミュレーション技術にて設計へ必要仕様を提案。さらに設計陣をはじめとする関連機能と詳細仕様を詰め、最後は現物でテスト確認する。

“現実”を知る難しさを私は痛感中だ。先人たちの知見をベースに、試行錯誤する日々の中、私が見つめているのはただ一点。絶対にお客様に迷惑をかけないクルマを届けること。この姿勢はHondaの技術者全員の共通項だ。誰もが「お客様目線で」仕様を考える。私が入社後まもなく従事した、新型FREEDのシャーシ強度開発においてもそうだった。開発が半ばにさしかかった時、運動性能担当から「もっとリア剛性を高める必要がある」と大きな変更要望が入った。技術的にもハードルが高く、最短のスケジュールが求められる中、リアサスペンションの取付け部剛性を向上させることで操縦安定性能を向上させた。信頼性と操安性をより高い次元で両立させ、クルマ1台分の性能を限界まで引き出した。

ライフイベント後、
希望通りのキャリア継続。

女性であれば、誰もが一度は悩むことになるのではないだろうか。仕事と、結婚・出産の時期と、そのバランスについて。私も子どもを授かり、1年間の産休・育休を取った。Hondaでは、産休・育休に入る従業員が直属の上司といつでも連絡を取り合える体制が築かれており、上司のほうからもこまめに連絡をくれる。「近況はどう?」「保育園のスタイルによって、働き方も一緒に考えていこうか」「復帰後の仕事はこういうのがいいかなと考えているんだけど」と、私の上司もよく連絡をくれていた。復帰後の配属は、希望通り以前と同じ信頼性グループ。Hondaでは、休暇前と変わらない仕事を希望しても、あるいは育児優先を希望しても、本人の意志が尊重される。望むキャリア形成が可能だ。

復帰後1年ほどして私は、自分がプロジェクトに携わっていたあのFREEDを、ファミリーカーとして購入した。子どもはまだ幼い。だけど「これママがつくったんだよ」と語りかけると、理解したのか「ママ!ママ!」と言って喜んでくれた。ささやかなことかもしれないけれど、それはとても嬉しいことだった。私は、まずは身の周りの人に喜んでもらうことから始めたいという想いで、クルマという身近な製品に携わる仕事を選んだのだ。自分が携わったクルマを一番近くにいる人に喜んでもらえたこと、それは夢に向かっての確実な一歩だった。

時代に残る
プラットフォームを。

同じ信頼性グループに復帰したけれど、担当領域は変わっている。以前はシャーシ領域、復帰後はプラットフォーム領域。ひとつ開発の上流段階へ移り、担当領域も増えたイメージだ。プラットフォームはクルマの基本性能やパッケージングを決定する骨格部分の構成体。その次世代にあるべき構造について検討を進めることが、今の私の仕事である。これからは間違いなく過去の常識が通用しない時代になる。だからこそ既存概念で縛られない、自由な発想で勝負できるはずだ。そして自分の考えた構造が具現化されれば、10年も20年も使われていくスタンダードになるかもしれない。プラットフォームの革新は、一過性で終わるものではないからだ。

Hondaはこれまでも驚きと共に、新しい価値を世界へ提案してきた。ASIMO、HondaJet、軽自動車のスポーツカー、カーナビもHondaがパイオニア的存在だ。モノマネはやらず、独創によって市場を開拓していく。夢を夢で終わらせず、思いもよらぬアイデアを実現してしまう。私もHondaの人間だ。歴史に残るようなことに挑みたい。空前ともいえる変革期を迎えているクルマ業界。その真っただ中で、腕を磨き、腕を振るうことができる。技術者にとってこんなに幸せな時代があるだろうか。

CAREER PASS

START
鈴鹿製作所にて工場研修。
Honda Carsにて販売店研修。

  • STEP.01

    2012/10~2015/10

    シャーシ部品の強度耐久性保証を担当。目標値設定、構造仕様提案、テスト・解析など多岐にわたる業務知識を身につけた。

  • STEP.02

    2015/10~2016/10

    産休・育休を取得。事前に上司と相談しながら復職後のプロセスを検討。保育園入園のタイミングによっては復職時期が変わるため、休暇中も頻繁に連絡を取り合っていた。

  • STEP.03

    2016/10~2017/10

    産休・育休前と同じ信頼性グループに復職し、プラットフォーム領域を担当。次世代プラットフォームの検討を進めている。

STAFF