僕の夢、更新中。

2011年入社
新美 彰仁/TERUHITO NIIMI

研究開発(四輪)

(株)本田技術研究所 四輪R&Dセンター
工学研究科 情報工学 修了

Hondaは
独創性の宮殿だ。

子どもの頃、ミニ四駆に心をわし掴みにされた。ワクワクしながら組み立て、走らせた。ミニ四駆はいわばEV(電気自動車)のミニチュア版だ。大人になったらワクワクするEVをつくるんだと心に決め、まっしぐらにモータの道を突き進んだ。電気系学科へ進学して一心不乱に打ち込んだ研究も、HEV(ハイブリッドEV)用モータの設計と実機評価だった。

僕がつくりたいEVには、幼少時からの夢も詰まっているけれど、社会的な志の想いもこもっている。四輪独立駆動で操舵できる“インホイールモータ”方式のEV、それが僕のつくりたいEVだ。新次元の走り心地を生んだり、室内が広くなったりするだけでなく、クルっと回転することだってできる。だから狭い駐車場でも停めやすくカーブも曲がりやすい。運転やパーキングが苦手な人の役に立てるし、都市部での利便性も高いと確信していた。世界中の人々の役に立ちたいから、影響力が大きいグローバル完成車メーカーを志した。Hondaを選んだのは、一人ひとりの技術者の発想を出発点に、多様な領域で独創的なモノづくりをしている広がりを感じたから。HondaJetも、ASIMOも、技術者の夢や志から生まれたに違いない。四輪領域の中でも同じ広がりがあるはずだ、ワクワクするEVを独創するならここだと直覚した。Hondaなら一風変わったEVでも「面白そうじゃん、やってみろよ」と、応援してくれそうな気がした。

限界突破で
培った自信。

入社以来モータひとすじ。Honda四輪車の電動化の進化と共に、僕も進化を遂げてきた。初の大仕事は、2014年モデルのFITに搭載された、ハイブリッドシステム“i-DCD”用のモータ性能担当を務めたプロジェクト。このシステムの進化ポイントは燃費性能の劇的向上と、モータのみでのEV走行の実現だった。そして、プロジェクトの最終断面で、僕の本格的な進化が始まる。量産段階が差し迫ったある日、「アクセルに対する応答性が微妙に遅いな。直すぞ」と先輩が言った。僕には感じられない遅れ。普通に走れる制御性能は達成していた。究極の乗り心地の実現に納得がいくまで挑む、Hondaゆえの数ミリセックへのこだわりだった。

しかし何しろ時間がない。しかも馴染みのない制御ロジックで組んだ初のシステムだ。暗中模索状態で、制御チームと一枚岩になって、最速解決に乗り出した。僕は脱帽の思いだった。ギリギリの日程でも“120%の良品”を叶えようとする全員の根気にインスパイアされた僕も、モータ屋として限界突破に立ち向かった。すでに最高レベルに達していたモータ効率を、未知の領域まで高めてやろうと奮い立つ。モータの特性とHondaの制御を組み合わせた高効率適合を追求し、それを検証するための超高精度な計測技術の開発にも邁進した結果、効率の最大化に成功した。学生の時なら「不可能だ!」と片付けていたはずの数々の難題。それを一つひとつ克服できた自信と、こだわりきったという誇りの芽生えが、Hondaで生きていくベースを築いた。

初のPL体験、
広がる活躍領域。

入社5年目、僕にまた跳躍の時が訪れた。今度は“超”が付くほどの進化ステージだった。Honda初のアプローチでモータを開発する先行開発に、僕にとっても初となるPL(プロジェクト・リーダー)として参画したのだ。次期ハイブリッドシステム用モータを、より進化した仕様にして、グローバルを視野にしたプロジェクト。モータの性能担当に特化してきた僕に、視野と活躍フィールドの拡大が求められた。各国の法規を調べ、適合に必要な項目を整理するという未体験の仕事からスタートし、PLとして判断に迫られる毎日に突入した。

各国で使われるモータとして、守るべき絶縁構成や温度・振動条件等は何か?ターゲット地域の気温・標高・路面状況等に対する耐久性があり、かつ最高の乗り心地を提供できる搭載環境条件を満たしているか?各国のお客様の使い勝手を考慮した動作保証仕様になっているか?それら仕様を確認する試験条件や製造条件は万全か?一つひとつ責任の重い判断をしながら、細部までこだわりを貫こうと試行錯誤するメンバーたちをフォローする。そのこだわりを叶えてあげるため、そしてクルマ全体としての商品性に磨きをかけるため、トランスミッション・制御・パワードライブユニット等の他領域でも縦横無尽に駆け回って調整に励んだ。そうした調整や判断の経験の積み重ねが、僕をぐんぐん高いレベルへ引き上げてくれたのだ。

モータ屋から、
真のモータ屋に。

各国の環境や車の使われ方や法規を広く深く学ぶことで、グローバルな視点が養われた。他領域の理解が進むことで、モータをしっかりとクルマ全体の中に位置付けて考えられるようになった。Hondaではよく「二階に上げて梯子を外す」と言われる。それがこの会社の人材育成法なのだが、二階に上がって、やり遂げてホッとして景色を見てみると、視座が高まり視界が広がっていた。モータ自体をつくるためのモータ屋を卒業し、電動パワープラント全体を見渡しながら仕事ができる、真のモータ屋になっていた。今の僕はまた別の次世代モータの研究を推進している。やはりグローバルを視野に入れた機種である。

僕の夢のEVは、やはり四輪独立駆動のインホイールモータ方式だ。面接で伝えたら「そういうのこそHondaがつくるべきだ!」と言われたが、今も仲間や上司と熱く語り合っている。そして、その夢は、どんどん更新されている。「新美のEVを一番必要としているのは、どの国の人たちかな?」「その人たちの暮らしを想像すると、もう少し工夫がいるんじゃないか?」そんな会話を常日頃からしている。おかげで新しい発想が芽生え、夢が成熟されてゆく。我ながら幸せな人生だと思う。学生の皆さんへ、ぜひ伝えたい。たとえ自分が今「あまりパッとしないな…」と思う夢でも、安心していいんだと。Hondaはきっとその夢を育ててくれる。僕はそう、確言します。

CAREER PASS

START
Honda Carsにて販売店研修。
鈴鹿製作所にて工場研修。

  • STEP.01

    2012/4~2015/3

    1モータ方式ハイブリッドシステムi-DCD用モータ開発プロジェクトの性能担当として、制御適合業務、出力・効率等の評価業務に従事。

  • STEP.02

    2015/4~2015/9

    HEV用エンジン開発における実車適合・検証業務等に従事。専門外であるエンジン領域を経験することで、パワープラント全体の構成・制御等を深く理解。エンジンの動作とモータのオペレーションとの相関関係を学んだ経験が、Hondaのハイブリッドシステム用モータ開発の一連業務で生きてくる。

  • STEP.03

    2015/10~2017/3

    次期ハイブリッドシステム用モータ開発における信頼性担当として、騒音・振動・性能等の保証業務に従事。さらに同モータをより進化させた仕様でグローバルを視野に入れた先行開発プロジェクトに、自身初となるPLとして参画。

  • STEP.04

    2017/4〜

    次世代モータの研究を推進。グローバルに拡大展開できる次世代電動車両の研究プロジェクトに参画。

STAFF